硬いは弱く、やわいは強い。
老子の有名な言葉
下に水より柔弱(じゅうじゃく)なるは莫(な)し。
而(しか)も堅強(けんきょう)なる者を攻むるに、之(これ)に能(よ)く勝つこと莫し。
其の以(も)って之を易(か)うる無ければなり。
*世界の中で水ほど柔弱なものはない。
それでいて強くて固いものを攻めると、何ものも水に勝つことはできない。
そのしなやかな性格を誰も変えることはできないからである
「老子」第78章
有名なことばを 拝借。
精神について、この問いを使われていますが
精神についてそれが言えるということは
物質についても言えます。
高齢になって人間ドックに間違って行ってしまうと
(*東洋的概念でいえば、病気は探すものではなく、感じるもの)
「あー、骨年齢が下がってますね」
と、言われることがあります。
腰の骨や、腕の橈骨という骨、もしくは太ももの付け根にある骨を使って測定して
平均値からの差をみます。
低いと ”骨折のリスク”が増える からということで
一般的には ビスフォスフォネート製剤と呼ばれる
骨の破壊を抑制する、薬を処方されます。
(そもそも、抑制していいんか、という話のテーマは今度)
すると?
強い骨が残るから、強度があがる!という理屈ですね。
ものすごく一般的に処方されています。
骨の強度は上がる、というデータが出ます。(そりゃそうです)
(ちなみに、飲んでも上がらない人もいます 内部は優秀ですね💕)
では、骨折のリスクは減るのかと言えば ”減りません”
なぜなら、骨の強度は 骨折のリスクの”ひとつ”であって、原因ではないからです。
*そもそも、転倒しない身体であればいいのですが
衝撃を分散できる身体、過度な緊張がないこと
衝撃を吸収できる身体機能があること
呼吸ができていること、笑える人生であることなど・・・
要素を上げればキリがありません。
年齢に伴う老化を除いて考えても数百原因がありますね
物質の話に戻しますが、
骨というそもそも折れる可能性があるものを強くする場合
強度が増すことによって強さが増す一方、
折れやすくもなります。
物質の密度が増すと、
とある方向からの強度は増すかもしれませんが、
違った方向からの強度には弱くなり
”結果的に折れやすくなる”ことが
物理的な法則から考えることができます。
垂直方向の圧迫には強くなるが螺旋性の力に弱くなる など
私の信頼する歯医者さんも
「硬いは弱いからね」
そう言います。
歯の治療では
今、普通にセラミックが詰め物として利用されています。
セラミックは密度が高い物質のため
壊れにくい、劣化しにくいという利点もある一方、
実は割れやすいという点も持ち合わせています。
硬いは弱い
やわいは強い
柔よく剛を制す
日本の柔道という「タオ:道」には
すべての答えがあったように思います。
世の中で一番硬いとされるダイヤモンドを結局
削る作業に使っているのは 「水」だったりします。
硬いってなんだろうなぁ
強く見えるってなんだろうなぁ
見た目が強そうな人は弱い
という人間界のルールもまた本質的です。
その”感性”を我々は磨き上げないといけませんね。
感覚ではありません。
磨くのは”感性”です。
さて、感性を磨き上がるのに大切なのは・・・・
お祈り・・・ではない。
滝行・・・でもない。笑
ではまた^^
次回大阪勉強会
4月27日 17時より21時まで
5月21日 10時より17時まで(予定)
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