第2弾 なぜ”歩けるようになった”のか
「二足歩行はまだ早い」
by モーシェフェルデンクライス
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”歩く・歩ける・歩けている”
みなさんは
”歩く” ”歩ける” かもしれませんが、
本当に”歩けている”のか
・・・なんて、考えたことありますか?
人間の脳の活動
脳のことを少し勉強したことがある人なら聞いたことがあると思います。
人間の脳は数%の部分しか機能していない
という説を聞いたことがあるかもしれません。
ウイリアムジェームスの一声から始まった
「人間は脳の10%しか使っていない」という説。
だとしたら、
アインシュタインとかは80%くらいつかって生きてるのか!
と、思いたくなると思うんです。
これ、実際はなんの証明もされていない事実で
本人は実際、そんなことは言っていないようですね。
心理学者、哲学者、思想家であったウイリアムジェームス氏。
彼の活動の中で「脳の一部しか使えわれていない」という思想に至ったようです。
その後、10%という具体的な数字のみが一人歩きしたそうです。
モーシェフェルデンクライスの文献的には
「5%くらいしか使えていない」なんて言っています
・・・・・・
移動手段の獲得
我々人間は1年もの時間をかけて
「移動手段」である「歩く」を手に入れていくといっていいでしょう
馬や豚、牛は生まれてすぐに歩けるにもかかわらず
なぜ人間はこれほどまでに時間をかけて歩くことになったのでしょうか。
これもとても不思議な話ですね。
おおよそ12ヶ月から1年半くらいの間に
「歩く」を手に入れていくわけですが
もともと脊髄にはその歩行というリズムを持ち合わせています。
central pattern generator CPG
という部分が脊髄に存在していることが証明されていて
幼少期から赤ちゃんを抱えて
足の裏を床につけると
歩く様な素振りを見せてくれます
(自律歩行 walking automatic reflex)
原始反射とも言われますが
もともとの機能として備わっているようです
しかし、それを使いこなすことができないまま
この世に生まれていきます。
母体のなかからそれは始まりますが
出生後、床での活動から始まりあらゆる「動き」がスタートします
生きる = 動く
探索・疑問
言葉もまだ持たない赤子は
あらゆる探索をして「個」を手に入れていきます
全身をセンサー(受容器)としてフルに使いながら
周りにあるあらゆるものを探索しようとする
親のDNA、遺伝情報から引き継がれる”骨”を利用しながら
その環境を知覚・認知していく
決して努力などすることなく
「快」「不快」のセンサーに支配されながら
シンプルに生物的機能を使い生きていく
何もできない子供は常に親に守られながら
自分の勝手に、そのままに生きていく
沸き起こる一つ一つの欲求を満たしていきながら、
我々は目線を広げ、活動の範囲を広げていく
いろんな障害、障壁を乗り越えながら
次々と沸き起こる疑問に対して挑みにいく・・・・
1年経って「歩ける」ようになりますがそれはまだまだ「未熟」です。
でも、そのプロセスは”膨大”
ものすごい数の”疑問”と”探索”の結果のあの”姿勢・動作”です
そこから大人のレベルに近づくのは数年後。
小学生に入る頃には個としての機能がある程度安定していきます
一応、大人と同じ歩き方になってきた。
しかし、それは「歩くためのすべて」を手に入れたわけではなく
その中の一部を優先的に使う方法を手に入れただけに過ぎません。
つまり『習慣化』させたわけです。
持ち合わせている”手段”を巧みに使いこなすことにより
とりあえず”歩ける”ようになっただけのこと
変化は習慣として固定される
人間の歩きほど、複数のパターンが存在する動作はないと言っても過言ではありません。
知り合いが遠くから歩いてきただけで
「遠くからでもあなたってわかる」くらい
歩き方 は その人の印象を物語るとも言えます。
歩き方 は 習慣
歩き方 は 癖
歩き方 は あなたそのもの
とりあえず歩ける様になっただけ、です。
だからこそ普段やらないような動作を繰り返したりすると
どこかに過剰な負担がかかる
その部分は最初は疲労感として現れるだけかもしれない。
それが年齢を重ね、回復が追いつかなくなると
疲労が残るようになる
疲労を残しても、運動の効率が上がらない場合
そこに”痛み”というわかりやすい問題が生じてくる
そこで立ち止まり「改めて運動を学習しなおそう」とする人は
この世にはほぼいない、かと思います。
(いたら、、教えてください笑)
もっと「歩きのパフォーマンス」をよくしたい、、、
なんて、思っている人はみたことがありませんね。笑
我々に備わっている運動機能はこんなもんじゃない。
それをただ”知らないだけ”だ。
だから、学びの場のスタートは
「知る」であって「わかる」ではないのです。
大人はどうしても自分の知識にすり合わせて
納得しないと動かない、という欠点をもってしまっています。
これこそが、「成長の障壁」となるのですが、
「わからないからこそ成長できる」ということを忘れてしまっています。
限界という概念がない
脳の発達という側面からみた動きのレッスン・ボディワークは
その”可能性”に挑み続ける面白い学習の場なのです。
ボディワーク
ワタシは、世の中にこれを示す言葉がないのでとりあえずそう言っていますが
正しく言えば ” Somatic integration / Somatic Education ” 体性感覚の統合
だからこそ、Somatsensory Education (体性感覚の教育)がここではKeyになります。
まぁ、一般的には伝わらんのでそうは書きませんがね。
0歳から100歳
生命がある限り受けることができ
死ぬ寸前まで「進化」することができます
一般的に良いとされる
筋力訓練・ストレッチのように
過剰な負担をかけることもないので
運動が禁忌の人も特に問題なく、働きかけることがでいる
私はこれ以上素晴らしいアプローチをみたことがない。
理学療法士として活動していると
最初のうちは「徒手療法」といって
関節や筋肉に直接働きかけることで身体を良くしていく
治療方法があるのですが、それを学ぶ機会があります。
最初はそれを数年間ひたすら学び
その最高峰とも言えるオステオパシーなども学びました。
時代を経て、そこからさまざまなアプローチ方があるので
その数多くの先人の考えを学ぶ機会がありましたが
私がやってきたこととほぼ同じ内容を
20年前から同じことを既にやってきている人がいたのです。(気づけば、ですが)
そして誰よりもその”本質”に気づく能力がある
それが私の師である森近貴幸
彼との付き合いは既に約10年になりますが
どれほど今まで私が思っていたことすべての勘違いを
軌道修正してもらったことか
初めて会った時のワークショップの時
訳わからなさすぎて、逆に腹たった記憶があります。笑
(当日のワタシはキレキレすぎて、扱いにくかったとよく言われますw)
特にこの6年間はかなり濃厚に指導をいただいています。
今のボディワークの根本は彼の指導あってこそです。
その偉大な師を今回、、なんとお呼びすることになりました
この記念すべき第1回のヨガセラフェスに・・・。
感慨深いです。
日本人として最も最初にフォームローラーを経験し、日本に伝えた人でもあり
日本人として最初にピラティスを経験してきた人でもあり
直接アメリカでオステオパシーを学んだ人でもあり・・
すべて表には出していませんがその功績は数えきれません
(わかりやすく表に出てくる人は・・・・そういう人ですかね笑)
この様な形で
北海道にて
彼の講演を聞けるのは2度とないかもしれません。
ぜひ、この機会をお見逃しなく
プロフィール 森近貴幸
Feldenkrais Method®Practioner
JSPO-AT
NSCA-CPT
Physical Therapist
the others…
Pilates, Foam Roller, etc.
そして
ともに学び、私と活動している理学療法士 西山駿斗
私の最も信頼できるセラピスト仲間です。
彼のレッスンが
このフェスのトリにあります
我々が伝える、動きの本質、そのすべての叡智を取り入れたレッスン
どうぞご堪能ください^^
プロフィール 西山駿斗
【理学療法士(運動器認定理学療法士)・Re:ACT主宰・ボディワーカー】
・札幌の回復期病院→整形外科クリニック→現在は旭川の総合病院にて勤務
・病院勤務以外にもパーソナル・グループレッスンを提供
・旭川市とオンライン中心にセラピスト向けのセミナー講師としても活動中
社会人1年目のリハビリ介助中に腰痛を発症。
“自分の身体も変えることが出来ないのに患者さんの身体を良くすることはできない”という言葉から自分自身と向き合い始めた。偶然にも1年目からフェルデンクライス・ヨガなど様々なボディーワークに出会い、自分の身体が変化に少しずつ気付く。いつの間にか腰痛もなくなり、動きから身体を変化させる楽しさを実感。現在は自分の身体と向き合いながら、同じ悩みを持つ人たちへ動きが身体を変える楽しさを伝えている。また、病院勤務という立場でボディーワークをどのように活用していくかを日々試行錯誤しながら実践中。
フェスでは楽に動く為のボディワークレッスンをお伝えします。
まずは自分自身を通じて、身体が変化する楽しさを感じてもらえたらと思います。
こんな動きで身体が変わるか。今までの運動の概念が変化する1日になると思いますので、お楽しみに!!
乞うご期待!
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ヨガセラフェス 特別ブログ
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ヨガセラフェス!〜2022〜
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第1弾
”脳”という”可能性”に挑む
〜松澤もなみ〜
作業療法士・ヨガ指導者
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第2弾
なぜ歩ける様になったのか
生きる・動く・学習
〜森近貴幸〜
Feldenkrais Method®Practioner
JSPO-AT
NSCA-CPT
Physical Therapist
the others…Pilates, Foam Roller, etc.
”楽とはなにか”
〜西山駿斗〜
理学療法士・ボディワーカー
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第3弾
鍼灸師・柔道整復師からの視点
〜熊坂和樹〜
鍼灸師
柔道整復師
ヨガインストラクター RYT200
働くとは?シゴトとは? 教育者・ヨガ指導者からの視点
〜乙津玲子〜
教育者
ヨガインストラクター RYT200
ボディワーカー
子と親、家族における陰陽とは
〜西村憲昭〜
理学療法士、ボディワーカー
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第4弾
産まれる・生まれる・産前産後のアプローチ
〜中島智恵〜
理学療法士、ボディワーカー
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第5弾
陰主陽従
〜白濱芳幸〜
理学療法士
bodyworker、Pilates、Yoga(RYT500)
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第6弾
”疾患を超えるとは” ・ ”楽しんで生きる”
〜児玉あゆみ、ほか〜
他、ゲスト数名あり
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